美南の丘クリニック

禁煙外来Non smoking outpatient

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タバコが止められないのですが・・・ 当院では、禁煙外来をH22年4月より開設し、ニコチン依存症の方に、保険診療下で治療が出来るように、施設基準を申請し、認可されました。
ニコチン依存症判定テストTDS(Tobacco Dependence Screener)で5点以上の方で、ブルックマン指数(喫煙年数 X 1日喫煙本数)が200を超える方であれば、保険適応になります(2016年4月より35歳未満には上記要件がなくなりました)。
どうぞご相談下さい。


禁煙外来

タバコを吸っていらっしゃる方の実に70%は、実は止めたいんだけどと思っていると言う報告があります。
タバコは「百害あって一利無し」と言われます。
タバコは吸っていらっしゃる方は、税金を納めて、農家やたばこ屋さんを支援しているとかおっしゃいますが、喫煙に起因する病害による医療費は、それを遙かに上回っています。
禁煙治療の有効性ならびに経済効率性については十分な科学的証拠があり、数ある保健医療サービスの中でも費用対効果に特に優れていることがわかっています。
2006年4月から禁煙治療が保険適用されています。
これは喫煙を単なる習慣や嗜好と考えるのではなく、ニコチン依存症という病気としてとらえ、必要な治療を行うという考え方です。
治療は一定の条件を満たした喫煙者なら、どなたでも受けることができます。
このページを見られた方、一度美南の丘クリニックで禁煙にチャレンジしてみませんか?


禁煙外来の対象となる方

以下のすべての要件を満たす者であることの確認が必要です。

●ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と診断された者であること
*テスト内容はこちらへ
●ブリンクマン指数(=1 日の喫煙本数×喫煙年数)が200 以上の者であること(2016年4月より35歳未満にはこの要件がなくなりました)
●直ちに禁煙することを希望し、禁煙治療プログラム(12 週間にわたり計5 回の禁煙治療を行うプログラム)について、文書により同意している者であること
つまり、すぐに治療しようと考えていない人や、ニコチン依存症と診断されなかった喫煙者の方達は

1.自由診療による禁煙治療
2.簡易な禁煙アドバイス
3.セルフヘルプ教材等の資料の提供

を行うこととなります。


治療の始めに

標準的な禁煙治療プログラムは、12週間に渡り計5回の禁煙治療を行います。
まず、初回診察で患者と話し合って禁煙開始日を決定します。
初回診察から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後の計4回、禁煙の実行継続のための治療を行います。


初回治療は以下の項目について相談していきます。

1.喫煙状況、禁煙の準備性、ニコチン依存度テストによる評価結果の確認
 禁煙外来を始めるまえに、これまでの喫煙状況、禁煙を開始する心構えができているか、またニコチン依存症の診断基準に当てはまるかを確認します。
2.喫煙状況とニコチン摂取量の客観的評価と結果説明

ニコチン摂取量の客観的評価のためには、呼気中の一酸化炭素濃度検査と尿中ニコチン代謝産物測定がありますが、前者の方が簡便に結果が即座に出るため一般的には一酸化炭素濃度を測定します。
通常吸わない人は、1~5ppmですが、ヘビースモーカーと言われる人は20ppm以上になります。
上記写真は当院で使用している一酸化炭素測定装置です。
左下の透明なパイプをくわえて、ここに呼気をはき出してもらいます。

3.禁煙開始日の決定
 当院では、基本的には内服薬(チャンピックス)による治療を行っています。
この治療に同意された方は服薬開始して1週間後からの禁煙開始になります。
禁煙開始日としては、お酒の席が禁煙期間中に入ると、挫折しやすくなるので、時期をよく考えて決定して下さい。
4.禁煙にあたっての問題点の把握とアドバイス
 禁煙に当たっての不安点、問題点など疑問に思われていることを、良く相談して下さい。
5.禁煙補助薬の選択
 禁煙補助薬としては、大きく2種類に分かれます。

1.ニコチン置換療法
ニコチンパッチ
ノバルティスファーマから出ているニコチネルTTSと言う薬で、皮膚に張り付けて使用します。
皮膚からゆっくりとニコトンが吸収されていきます。
ニコチンガム
市販されているニコチンガム(商品名ニコレット)があります。
ガムをかむことで口腔内や、消化管からニコチンが吸収されていきます。
2.ニコチン受容体部分作動薬
ファイザー製薬から販売されている、バレニクリン(商品名 チャンピックス)という薬で、ニコチン類似作用を持ち、かつニコチンをブロックするというダブルの作用で禁煙治療を行います。
禁煙外来では、保険診療として使える薬はニコチンパッチ(ニコチネルTTS)とバレニクリン(チャンピクス)となります。
当院では、主として禁煙率の高いチャンピクスによる禁煙外来を行っています。

ニコチン依存症と診断され、治療による副作用等の説明を行い、治療に合意された方は、指示された処方で治療を開始してゆきます。

この治療は、厚生労働省へ治療の成否の数を届け出る必要があるため、治療を中断された方へ、3ヵ月後の禁煙状況を、お尋ねすることがあります。
あらかじめご了承ください。
なお、報告事項に個人情報が含まれることはありません。


禁煙治療の薬について

ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)について

ニコチンがパッチに含まれており、徐々に皮膚から吸収されていき、ニコチンが切れたニコチンパッチときの苛立ちや、不安焦燥感といった離脱症状を和らげてくれます。
ただし、重篤な心疾患(狭心症、心筋梗塞、不整脈など)のある方、脳梗塞後日にちが経っていない方、以前に薬で発疹のあった方などは注意が必要です。

また、貼ったところに発赤、発疹が出来る場合があります。
貼ったままで喫煙したりすると、多量のニコチンが体内に吸収されたりするため、頭痛、吐き気、めまいがしたりすることがあります。
ニコチネルTTS10と20は市販されており、薬局でも購入できますが、ニコチン依存症と診断された方には、ニコチネルTTS30が処方され、より高い効果が期待できますし、保険診療が出来ます。


ニコチンガム(ニコレット)

ニコチンガム ニコチンがガムに含まれており、噛むと比較的急速にニコチン血中濃度が上がるため、たばこを吸ったときと同じような爽快感が得られます。
これはニコチンパッチよりも喫煙時の感覚に近い状態です。
しかしこのためにタバコと同じように依存性が出現し、止められなくなったなどの問題があります。

ニコチンパッチと同様、同時に喫煙すると頭痛、吐き気、めまいが出現したりすることがあります。
また保険適応がないため、薬局、薬店で購入することになり、割高です。


バレニクリン(チャンピックス)についてチャンピックス

ニコチンを含まない内服薬です。
ニコチンの代わりに、薬が脳のニコチン受容体にくっつき、刺激を与えて僅かに爽快感を与えます。
このため喫煙しても、ニコチンが受容体にくっつかないため、喫煙時の爽快感がありません。
喫煙時の快感が得られないために、タバコを吸わなくてもかまわないと言う気持ちになってきます。

ニコチンパッチと比べても、禁煙成功率は1.5倍です。
何も使わないときの、3倍の禁煙成功率とのことです。
ニコチン依存症の方に対しては、保険診療も出来ます。
主な副作用は、吐き気、頭痛、便秘、腹痛、不眠症などがあります。
また抑うつ、不安、精神疾患の悪化などがみられることがあるので、精神疾患のある方には注意が必要です。


禁煙治療の費用

治療薬剤費は自己負担3割の場合、処方される薬にもよりますが8~12週間でおよそ2万円程度となりますが、いずれも1日あたり240円程ですのでタバコ代より安くなります。


禁煙治療後の禁煙について

禁煙治療は3か月で終了しますが、せっかく禁煙できても、それが継続できない方が、たくさんおられます。
実はタバコがおいしかったという記憶は、結構長く続いていて、ストレスや誘惑に負けてまた喫煙を差異化してしまう人が多いのです。
禁煙外来終了後も、もう二度と手を出さないそという、気構えが必要です。
薬をのめば未来永劫煙草に艇を出さなくなるのではという期待を持って、来院されるかたは多くいらっしゃいますが、本当にやめたいという気持ちが、やはり必要です。